20歳の時に、ひょんなことから仲間とお店（BAR）を始め、出版社を立ち上げ、右も左もわからぬままにドタバタドタバタと身体だけはせわしなく動かし続けて、はや15年。

苦しい時も山盛りだったけど、おかげでデザインという一生付き合えそうな仕事にも出会えた。
デザインが仕事のメインだったけど、その間も「BAR」や「cafe」という空間がスキで、お店を創ったり、つぶしたり、つぶさなかったり・・・
　
デザインという仕事とお店という空間。
この２つが同じ場所にあれば、けっこう楽しく暮らしていけそうな気がするんだよな。
ちょいと前から、ふとそう思うようになった。
ついでに、自分の家も同じ場所にあれば、もっといいのに・・・らくちんで。
　
例えば、小さな古いビルを借りて、１階をカフェバーに、２階を工作場にして、３階に住む。
すべて手作りで。カフェバーも、工作場も、自分の部屋も。
手作りは楽しい。仲間とあーでもない、こーでもないと言いながら、汗をカキカキ創る店。できた店にお客が訪れ、また新しい出会いが生まれる。
「空間」には人が集まる。さらに自分が好きで作った空間には、自然と自分の好きな人が集まる。だからお店は楽しい。
２階の工作場では、コツコツと手作りで創る。出来たら１階のカフェのはじっこで、それをこっそり販売できたら楽しい。売れたら、もっと楽しい。
そんで、創るのに疲れたら、下のカフェバーで、友達と酒でも飲んで、眠たくなったら部屋に戻ればいいし。お昼ご飯を作るのが面倒な時は、下のカフェでおいしいご飯を食わしてもらおう。
自分の部屋は自分が使いやすいように創ればいい。別に下手でもいいじゃん。自分が住むんだから・・・・

 

これは楽しそうだ・・・

 

そんで、さっそくこの計画をスタートすることにした。
現時点では、まだ何もない。
お店と工場とお家。
さて・・・創ってみようか。
　
まずは、物件探しですか？
　
作戦開始〜！

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TRUCK FURNITUREという家具屋さんをご存知ですか？
大阪にあるなんとも素敵な家具屋さん。
今はもうずいぶんと有名になって、テレビや雑誌でもよく見るようになった。
トリさんとヒリさん。夫婦で始めたこの家具屋さんのカタログを偶然にも本屋で目にしたのは、もう１０年くらい前のことかな・・・
家具好きでもなかったのに、なぜか衝動的に買ってしまって、そんで、ハマった。
二人の姿は、カタログの中にはほとんど出てこなかったけど、なぜか、本の中に漂う二人の醸し出す雰囲気に憧れて、「いつかこんな風になりて〜な」って思うようになった。
当時は出版を始めたばかりで、全然うまくいかず、借金山盛り状態。
貧乏過ぎて、とても家具は買えなかったけど、「よっしゃ！ 借金返してTRUCKの家具を買うぞ！」それが目標。
それから１０年・・・TRUCKが３冊目のカタログを出版した頃、ボクもようやく借金を返し終え、持ってる金全部と今まで作った本を鞄に入れて、新幹線に乗り、大阪に向かった。
店の前に立った時は、もうそれだけで満足だったけど、緊張しながら店内へ入って家具を注文し、スタッフの人に本を渡し、もう満足度１００％で道頓堀でお好み焼きをほおばっている時、一本の電話が。なんと、トリさんからだった。
「本、ありがとう！ 今どこいるの？ よかったら戻ってきませんか？」って。
二人は芸能人なんかじゃないけど、ボクにとっては１０年間、憧れ目標にしていた二人。
あまりの嬉しさに、もう何を話したのかもよく覚えちゃいないけど、最終の新幹線まで、いろんな話が出来た。今まで作った本を、既に何冊か持っていてくれたみたいで、それも最高に嬉しかった。

二人が作り出す家具もお店の雰囲気ももちろん最高なんだけど、何より、二人のモノ作りに対する姿勢が最高だ。いつも自然で、それでいて、徹底的。
今ではたまに電話で話したり、ウチから出す本に登場してもらったりもするけど、見れば見るほど、話せば話すほど、追いかけても追いかけても、差はなかなか縮まりそうもない。
なんとも、追いかけがいのある先輩たちです。

今回の、お店と工作場と家を作ろう、という計画の原点はこの二人が創ったカタログからなのでした。

TRUCK FURNITURE
営業時間/11:00-19:00
定休日/火曜日、第1・第3月曜日
ADDRESS/540-0005 大阪市中央区上町1-6-10
TEL/06-6764-5405 FAX/06-6764-5404

AREA2
営業時間/11:00-19:00
定休日/火曜日、第1・第3月曜日
ADDRESS/540-0005 大阪市中央区上町1-5-5
TEL・FAX/ 06-6764-5544

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