GARAGE WORKS

diary

number:

052

2010.09.18

戦国時代だ

 Start 

 

 

 

ipadの出現によって、出版業界が大きく変化するんだとか、しないんだとか。

「電子書籍」ってやつのおかげで、印刷する必要がなくなり、印刷業界もヤバいんだとか、ヤバくないんだとか。

まぁ、出版業界にどっぷり足を突っ込んでいる俺の個人的な感覚では、日本国内でそれほど急速に電子書籍化が進むようにも思えないが、音楽業界がipodの出現によって劇的に変わったように、出版業界が同じように変わってしまっても、何らおかしくはないもんね。

 

んでも、俺自身は、その変化に対してはウェルカム。

音楽がそうであったように、出版業界も「出版社」と「インディーズ」の境目がなくなれば、もっともっと、面白い本が山ほど出てくると思う。

今でこそ、こうして仲間と出版社をやりながら、好きな本を出せているが、そこまでの道のりはそれこそ、「本に出来るような」ほどの苦労の連続だった。

お金がかかるのはもちろん、流通の問題、書店への営業、販売促進・・・などなど、それこそ、本を作る情熱以外の仕事がてんこもり! しかも、それが売れなきゃ、もれなく借金のおまけ付き!

それじゃぁ、なかなか思い立っても本なんて出せやしない。

 

でもそれが、電子書籍なら、ほぼノーリスクで、自分の好きな表現を世の中に発信できる。

売れなくたって、ヘッチャラ。とにかく作りまくって、何度でも勝負すればいい。

電子書籍によって、お金や流通っていう「リスク」が取っ払われたときに、おそらくやってくるであろうこの「戦国時代」の到来を、俺も心待ちにしている。

めちゃめちゃ面白い本も、めちゃめちゃつまらない本も、きっと山ほど出てくるだろうけど、最後に残るのは、デジタルだろうがアナログだろうが、やっぱり「ホンモノ」だけだ。出版界とか、そんな狭い中だけじゃなくて、世の中全部の「本を作ってみたい人」と同じ土俵にたって勝負が出来れば、そりゃ〜楽しいだろうな。それが何よりの刺激と栄養になる気がする。

 

世の中には才能溢れるやつが、ほんと溢れてる。

そんな刺激に気軽に出会えるようになるなら、デジタルも悪くない。

 

なんてことを、たいして使えるようになっていないipadを眺めながら、ふと思ったわけです。

 

ぴ〜えす。

写真に特に意味はありません。何となく、今の気分を表現してみました。

 

ほいでは。


 

GARAGE WORKS / Minoru Takahashi
PAGE TOP
PREVIOUS PAGE
NEXT PAGE

トラックバック

Listed below are links to weblogs that reference 戦国時代だ:

コメント

この記事へのコメントは終了しました。