GARAGE WORKS

diary

number:

084

2012.01.01

今年も

IPPO

 

 

 

毎年毎年、いろんなことがあるけど、全部ひっくるめて「今年もいい年だったな」と思えればいい。

今年もきっといい年に。

あけまして、おめでとう。ありがとう。これからもよろしく。

 

コンクリートも無事固まり、記念すべき一歩。

今年もまたいろんなことが変わる。

いつも通りの仲間と、新しい仲間と。

泣いたり笑ったり。

どっちに転んでも、平穏な人生より、心が波打つような人生がいい。

ここまで来れたことに、いろんな人や、いろんな出会いに、まず感謝。

そして、これからもよろしくおねげぇ〜します。

さぁ、今年もいきまっせ!

 

 

ぴ〜えす

恒例の年末格闘技イベント。行ってきました。

ヒョードルは70億分の1ではなくなったけれど、相変わらず60億分の1の男でした。素敵です。

再び彼が「70億分の1」になれることを祈って。

 

 

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diary

number:

085

2012.01.01

契約のお話 その1

BOW

 

 

 

寝起きの子分その弐、ボウ・リトルスカイ。

こいつのオシッコの飛距離&テキトーっぷりは半端なく、いつもトイレの外にはみ出してはオレにため息をつかれています。

引っ越し先では、いかにこいつのオシッコからフローリングを守り抜くかが最近の課題。ただいまアイディアをふり絞り中。

 

ま、そんな話はおいといて。

今回はちょっと突っ込んだ話を。

この物件の「契約」に関するお話。

 

この物件を見つけたのは去年の10月。

そして、実際に契約に至ったのが11月30日。なんと2ヶ月間も大家さんとの交渉が続いた訳だ。

そこまでのいきさつは、こう。

ある不動産屋さんに送ってもらった物件情報の中に、えらい近所で、値段も安く、大きさも手頃な物件があった。

家から歩いて5分ほどの場所。

さっそく相方とチラシを片手に物件を視察しに出かけた。

しかし、住所の場所に着いても、探せど探せどその物件は見当たらない。

「あれれ?」と疑問に思いつつ、ないはずはないだろう、っとその工場のマークを思わせる特徴的な形の建物を探がし続けると、ようやく1件、それらしき形の物件を発見!

「ま、まさか、あれか?」っと信じられない気持ちで駆け寄ったオレの目の前に飛び込んできたのが、そう、この物件だ。

 

Buken

 

これにはほんと、たまげた。でも、「かっけぇ〜!」とつぶやいてしまった。

だってさ、だってさ、そのチラシに載っていた建物の写真は、これだったんだぜ。

 

PASU

 

これじゃ〜気がつかないっしょ!(笑)

 

そうなんだ、これは大家さんが「こちらでこのように改装してから貸しますよ」という完成予想図だった訳だ。

「ボロい方が、はっきり言ってカッコいいが、穴だらけでとても住めそうな状態じゃないし、大家さんが自腹でキレイにしてくれるってんなら、ま、そのほうがいいか。金もかかんねーし。」

ぶっちゃけ、はじめはそう思ってた。

 

この際だから参考までに数字も公表。

最初にチラシに記載されていた貸し出し条件はこんな感じ。

 

「家賃47万円/敷金10ヶ月/礼金1ヶ月/共益費ナシ」

 

この条件を高いと感じるか安いと感じるかは人により千差万別、あらゆる条件によって変わってくると思うけど、この時、オレは「安い」と感じた。2〜3年にわたり物件を探し続けて、エリア、場所、広さ、をみればある程度の「相場」の感覚はつかめてくる。その「相場の感覚」から見れば、この物件は、オレの中では格段に安く感じる物件だった。

 

通常チラシには書いていないが、上記の金額にプラスして、不動作屋さんへの「仲介手数料」と、家賃未払いなどへの保険としてほぼ強制的に加入させられる「保証会社」への保証料の支払いがもれなくついてくる。それが通常、それぞれ家賃の1ヶ月分。つまり、プラス家賃2ヶ月分。これに契約時には最初の1ヶ月分の家賃も同時に支払うことになるから、結局プラス3ヶ月分。

敷金(または保証金)10ヶ月+礼金1ヶ月+仲介手数料1ヶ月+保証料1ヶ月+初回家賃1ヶ月×47万円。

14ヶ月×47万円=658万円。

チラシ通りの条件で借りたら、契約時におおよそこれくらいのお金が必要ってわけだ。

 

もちろん、このまま額面どうりの条件で借りるつもりなんてないんだけどさ。

さて、ここから、大家さんとの交渉が開始だ。

どこまで値段を下げられるのか?

 

いったいどうなることやら・・・

 

その2へつづく。

 

 

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number:

086

2012.01.05

契約のお話 その2

Goro

 

 

 

寝起きの子分その壱、高橋・イエローイーグル・ゴロー。

オシッコマナーはまぁまぁ優秀、っが、寂しくてムカつき始めるとあえて禁止エリアにオシッコすることがたまにあり、時々ぶっ飛ばしたくなるのがタマにキズ。

 

引き続き、契約のお話。

貸しアパートやマンションの家賃交渉がうまくいったことはあんまりないが、

店舗や事務所物件の場合、大人気の物件でない限り、物件紹介チラシそのままの金額で借りなきゃダメなんてことはまずない。

たいていの場合、大家さんの方も「少し高め」の値段を出しておいて、交渉の結果少し家賃や保証金が下がっても「最低これくらいの値段で借りてくれればオッケー」って言う「値段の幅」を持ってる。ま、感覚的には「海外旅行(特にアジア圏)での買い物」みたいな感じか? 最初は高い金額を吹っかけてきて「じゃ、いらない〜!」って帰ろうとすると「オッケー! オッケー! 待てよ兄弟! ●●でいいよ!」みたいな。だから出来るだけ安く借りたいこちらとしては「大家さんが考えている最低ライン」にいかに近づくかが勝負。

 

きっと、人それぞれいろんな方法があると思うんだけど、オレの場合、まずはこちらから「かなり安い金額」をあえて吹っかけてみることが多い。といっても、あんまりにもやりすぎるといきなり突っぱねられて、そのあとの交渉自体が出来なくなる恐れもあるので、「大家さんが怒るか怒らないかギリギリ」くらいの金額を自分で考えてみる。

今回の場合、「家賃47万円→35万円」「保証金10ヶ月→3ヶ月」「礼金1ヶ月はそのまま」で大家さんに投げてみた。

要は、「これで借りられたらチョ〜ラッキ〜、マジで速攻借りるぜ」って思える金額をまずは投げてみる。

その時は必ず「この金額なら、即借ります」と付け加えることを忘れない。この一文を付け加えると、むこうも本気で話してくる。

 

これはオレの感覚だけど、大家さんは「保証金」を下げるよりも「家賃」を下げることを嫌うことが多い。まぁ、保証金ていうのは、言ってみれば「預かり金」みたいなもん(ま、契約内容にもよるけど)だから、それよりは毎月の家賃を大事にする大家さんの気持ちも当然かもしれないけどね。

だから「家賃はほどほどに」「保証金をガッツリ」っていうのが現実的には交渉しやすいかも。

 

そして、数日後に、大家さんからの回答が。

「家賃44万円」「保証金6ヶ月」「礼金1ヶ月」。

うん、やっぱり、結構「無難な数字」が返ってきた。

さて、ここからさらに値段を交渉するか?

それとも、そのまま借りるか? もしくは「やっぱりいいや」と諦めるか?

その判断は返答してきた時に「大家さんのテンション」に注目。

「これくらいでお願いできませんか?」だったら、もうちょい交渉の余地あり。

「これ以上の値引きは無理です。限界です。」と、きっぱり言って来る場合は、これ以上の交渉は難航することが多い。

 

さて、どうしようか・・・?

もう一声・・・・

 

その3に続きます〜

 

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087

2012.01.07

契約のお話 その3

Bukken-3

 

 

 

相方とともにゴロー&ボウが物件をはじめて視察。

ホコリで咳き込みちょっとブルーに。ここに住むことになるとは・・・・きっとヤツラはまだ知らないでしょう。

 

さてさて、引き続き、契約尾のお話。

数日後にきた大家さんからの回答は、

「家賃44万円」「保証金6ヶ月」「礼金1ヶ月」。

オレが最初に投げた数字「家賃47万円→35万円」「保証金10ヶ月→3ヶ月」には遠く及ばないけど、おそらくこんなもんだろうとは思ってた。さて、ここからどうするか・・・?

問題なのは、この時の大家さんからの回答の内容。

「これ以上は無理です。この数字が限界です」という内容だった。

この返事が返ってくると、これ以上の「大幅な値引き」ってのは難しい。んでも、逆に考えると、「確実に借ります」という前提で話を進めれば、「家賃を1〜3万円」「保証金1〜2ヶ月」と、あとちょっとずつ値引きすることは可能なことが多い。

ここでちょっと迷った。

「もう一声」とわずかな値引きをお願いして、もう借りてしまおうかな?

だって、もうずっと探し続けてる。正直、もう物件を探すことにウンザリしてる気持ちもある。

ピンッと来てる物件をだらだら交渉していると、その間に他の人が申し込みをかけてきて横からさらわれる、なんてことも何度かあった。(備考:不動産屋さんが「他の人も申し込みかけてるんですよ」という話は8割がた焦らせて借りさせようとする嘘だけど、2割くらい本当ってことがあるので、注意しましょう)

 

この物件を「借りたい」という気持ちが強かったオレは、大家さんの反応から、家賃&保証金のわずかな交渉に加えて、別アプローチをとることにした。それが「フリーレント」。要は、物件を借り、改装する間の「営業できないけど発生してしまう家賃」をタダにしてくれってやつだ。

「フリーレント」ってのは家賃や保証金が減る訳ではないので、大家さんの「気持ち」的に「お金が出て行く、減る」という感覚があまりしないためか、意外とあっさり飲んでくれることが多いけど、今回の家賃でいえば、フリーレントが1ヶ月、2ヶ月つけば44〜88万円のお金が浮いたことになるんだから、実はかなりの値引きになる素敵な方法だ。

 

実際、この「フリーレント」に関しては、大家さんもあっさり「2ヶ月」飲んでくれた。そんでついでに保証金は一ヶ月だけ値引き。

「家賃44万円」「保証金5ヶ月」「礼金1ヶ月」「フリーレント2ヶ月」。これが最終回答。

大家さんとやり取りしてる感覚では、もうここがイッパイイッパイ。

 

「よし、これで借りよう」

 

オレもここで決断することにした。

もうこれ以上の無駄な交渉は大家さんとの関係を悪くするだけだ。

決断した俺は、さっそく担当の不動産屋さんに連絡して、この条件で借りる意思があることを伝え、実際に物件を見ながら、大家さん側でやってくれる「工事内容」を確認させてもらいたいと付け加えた。

「大家さんがどこまで工事を行ってくれるのか?」は自分の予算にも関わる大きな問題だからね。

 

ま、ここからが、契約までに長い時間がかかった原因の始まりなんですがね・・・・

 

次回、最終回・・・にしたいな。

 

 

 

 

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088

2012.01.07

契約のお話 最終回

Haguruma

 

 

 

以前の工場の名残。物件内にはこんなかわいい部品が落ちてたりする。内装に使えないかなって、いくつか拾い集めてみた。

 

さてさて、もうこの際だから引き続き、契約のお話、最終回。

 

家賃、保証金の交渉は終わり、あとは大家さん側の工事内容を確認させてもらって、いざ契約!

なんて気持ちで足を運んだ、双方立ち会いでの工事内容の確認の日。

その工事内容を見て、オレはちょっと目を疑った。

だって、「外装などはこちらでキレイにします」「店舗、事務所使用に最適!」なんてチラシに書いてあったのに、実際にやるのは「ボロボロのトタン板をはがして、奇麗なトタンに変えますよ」「割れてる窓やドアは新しいものに変えます」以上。

ザックリ言えばこんな感じだった。

 

え? だって、地面は「土」だぜ? そんなオフィス見たことね〜ぞ。

「トタン1枚」の壁? いくらなんでもそれじゃ〜エアコン効かなくね〜か? フライパンの中で人は暮らせないぜ。

階段も斜めだけど? 鉄骨の補修も必要だろ、これは?・・・・・などなど数え上げたらきりがないが、少なくとも、この工事内容では「店舗、オフィスに最適」というにはほど遠い内容だった。

こんなの、すべて自分で工事してたら、それだけで内装費なんて全部ぶっ飛んじまう。そもそも、オレは「借りる人」であって、この物件のオーナーじゃないんだぜ、店舗、オフィスとして貸し出すんなら、建物としての「最低限の工事」は大家さん側でやるのが当然だろ!っという話を大家さん側に伝えた。もちろん、もうちょっと優しく。

たとえば、

せめて、床はコンクリートにして欲しい。

外壁はトタン一枚ではなく、断熱材を入れ、板張りにしてほしい。

鉄骨、階段の補修をしてほしい。

電気、水道、ガスなどのライフラインに関してはしっかり整えてほしい。

など、オレとしては「当然」と思える内容を伝えた。

 

ここで大家さん、しばし沈黙。

きっと業者さんなどから、オレが投げた工事の見積もりなどを取っていたのかな。

そして返ってきた答えは・・・

「全部そっちでやってもらえませんか?」

「は???」またまた耳を疑ったが、この話には続きが。

「保証金、家賃などを下げるので、そのお金で外装を含む諸々の工事をそっちでやってもらえませんか?」という話だった。

きっと、オレから投げた様々な工事内容をみて、正直「めんどくさく」なっちゃったんだと思う。

だって、実際に、ひとつひとつの工事を「どちらが大家側で? どちらが借りた人で?」って決めていくのは、その項目数の多さを考えると、相当に骨が折れるのは確かだ。もちろん、どっちも「できれば相手にやらせたい=金を使いたくない」わけで、それを話し合いで決めていくのはすごい時間がかかる。しかも、間に仲介役の不動産屋が入ればなおさらメンドクサさは倍増だ。

 

オレ自身、この時はもうめんどくさくなって「だったらもう、借りるのやよう」と思うことが多かった。

外装なんて、自分でやったら金がかかりすぎるし、そもそも、なんで人の建物を自分で金払って修繕するの? それはさすがに大家さんのやるべきことなのでは? ちょっとおかしくね〜か? という気持ちが強くて、何とも悶々とした日々が続いた。

あの物件借りたいな。でも、さすがに外装をやることなんて考えてもなかったから、実際自分でやろうにも、まず金足らね〜だろうな・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・・ん? で、実際は外装費っていくらくらいかかるんだろ?

 

よくよく考えたら、それが分かってなかった。

「それはオレがやることじゃね〜だろ!」って気持ちが強くて、そこに意識がいかなかった。でも、冷静に考えれば、もし、外装にかかる費用を家賃と保証金の値引きで相殺できれば・・・・アリじゃね?

 

思いついたらすぐ電話!

わずかな希望の光にかけて、さっそく数人の友達と、物件の工事をお願いしようと決めていた大工の大将「ヨモあにぃ」に電話で相談してみた。

そんで、そのときもらった答え(外装にかかる大まかな予算)は、大家さんとの交渉が可能と思われる、まさに「ギリギリ」の数字。

ぶっちゃけてしまえば、「ざっと400万円」。

まぁ、たいそうな金額だ。内装費も考えれば、ちょっと無理がある数字だが、この金額をなんとか埋め合わせる条件を自分なりに考えてみた。

 

それがこの数字。大家さんに実際に投げた条件。

「家賃35万円(3年間)「保証金1ヶ月」「礼金一ヶ月」「フリーレント5ヶ月」。

でっかい機械などの残置物の撤去。

階段、鉄骨などの補修。

ライフラインの整備。

 

ざっと計算すると・・・

●保証金がマイナス5ヶ月で44万円×5=220万円。

●家賃がマイナス9万円×36ヶ月=324万円。

●フリーレントが3ヶ月延長で44万円×3ヶ月=132万円。

合計 676万円。

 

この条件なら、もちろん初期投資は増えるけど、2年間も頑張ればきっちり元が取れる条件。リスクは高いが、やりきれれば、数字的には最初の条件よりもずっといい。

 

「さすがにこの条件は飲んでもらえないかもな」という気もしたが、思い切って投げてみよう。これで無理なら、この物件は諦めよう。っていうか、実際無理だし・・・・

 

そう思って投げたオレからの最終条件は、なんと大家さんにそのまま受け入れられた。

 

そして、長かった交渉劇にようやく幕が下りた。

 

 

まぁ、なんとも、ずいぶん時間のかかる契約だ。

そして、何ともリスキーな契約だ。

初期費用、大幅増。

最低2年。そこでプラスマイナスゼロ。

 

でも、もとからチャレンジだ。リスクのないチャレンジなんてないしね。

下っ腹がキリキリ痛むような緊張感がないと、自分がこれ以上成長できないのも、何となくわかってる。

実際味わうと嫌なんだけど、この緊張感が、それに見合った「感動」や「グルーヴ感」を連れてくる。

それが数年後に「素敵な思い出」や「最高の酒の肴」に変わる。

辛かった高校時代の部活動と一緒だ。

 

そんなコトバを自分に投げかけ、自分で自分を奮い立たせる毎日が始まった。

まぁ、「夢物語」を話している時が一番気楽だ。

それが「リアル」に変わると、とたんに緊張感が身を包む。急に怖くなったりする。

契約書にハンコを押しながら、ふとそんなことを思った。

 

やりたいけど怖い。怖いけどやりたい。

嫌いだけど好き。好きだけど嫌い。

まさに、バンジージャンプ・・・・・

「リアル」なことは、いつもそんな感じで、でも、どうせならやってみようと思うのです。

 

とりあえず、飛んでみた。

 

契約のお話、これにてチャンチャン。

 

 

 

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number:

089

2012.01.07

ちょっとずつちょっとずつ

Kitchen

 

 

 

はてさて、契約の話をずいぶん長々としてしまっている間に、GARAGE WORKS開業に向けての遥か長い道のりを一歩一歩、本当に少しずつ前進しております。

 

上の写真はお店の厨房機器と備品。

知り合いのお店が閉店するというので、格安でいろいろ譲り受けてきた。

今回は住居や工房も含まれるけど、お店というか空間作りっていうのは、ゼロからすべてを作り上げようとすると、本当にあらゆるものの集合体だ。

だって、自分の部屋を見渡してみると分かるでしょ?

床、壁、天井などはもちろん、空調設備に様々な家具、照明、水回り、調理器具に食器・・・・なんて、細かいところまで数え上げたら本当にきりがない。 このすべてを購入し、取り付け・・・ってやっていくと、もともと高額なものはもちろん、ひとつひとつが安いものも、それが山ほど積み重なると、いつの間にか何十万、何百万になってたりする。

だから、お店とかを始める場合、ひとつひとつのものを根気よく、出来るだけ安く購入するっていうのがとても大事だと思う。

ひとつひとつがわずかに安くなっただけでも、同じように、それが積み重なれば、いつの間にか何十万、何百万って差になる訳だ。

 

だからといって、なんでも「安物」を探せばいいって訳じゃない。

時にはじぶんの「こだわり」に対して、高いお金をかけたい時もある。

お店だってひとつの「自分表現」。

だから本当はすべてのものにお金をかけたいけれど、そこまで言っちゃったらお金がいくらあっても足んないのも事実。

だからオレの場合は「お金をかけたい場所」「節約してもいい場所」っていうのを大まかに分けちゃうことにしてる。

そんで、高額なものでも、安いものでも、同じ商品の中で一番安いものを必死で探す。

例えば上の「厨房機器」はオレの中で「節約できる場所」のひとつ。

人からのお下がりでも中古でも、機能さえしっかりとしていれば、おいしい料理やお酒を作るのに何ら支障はないから。油汚れがこびり付いていれば洗って落とせばいい。面倒でも手間さえかければ新品とそれほど変わらんくらいはキレイにできるからね。

今回譲り受けた分だけでも、普通に中古屋さんから買ってくる金額と比べて30〜40万円くらいは安く買えた。

「かけたい場所にお金をかける」ためにも、こうしてちょっとずつちょっとずつ。

 

でも、不思議なもんで、お店を作り始めたとたんに、いろんな情報が舞い込んでくるようになった。

「ここの材料屋さんが移転するからセールやってるらしいよ」とか「ここの家具屋さんが安いよ」とか、「うちの店閉店するから調理器具もってくか?」とか、「オレの友達で●●屋さんいるぜ」とか・・・・

きっと「契約したその日」から自分の「アンテナの感度」があがって、いろんな情報をキャッチできるようになったんだと思う。

そしていつも、人に話すこと、とにかくいろんな人に聞いてみること。これを続けていると、本当にいろんな情報が入ってくる。

そして、情報をくれた人には、必ず「ありがとう!」って感謝すること。これも意外と大事。それがまた次につながるから。

 

そんな感じで今日もまたいろんな人に電話をかけ、ネット上をサーフして、あらゆるモノを「ちょっとでも安く」買えるよう、ちっちゃな努力を積み重ねるのであります〜。

 

次回はいよいよ、2階の解体だ〜

 

 

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number:

090

2012.01.09

壊してこー!

KAITAI

 

 

 

「作る」までの道のりはまだまだ遠い。

お次は解体作業。

 

2f-1

2F-1-1

 

こんなんなってる2階の空間。一度壁から天井から床から、すべてぶっ壊して、新しく作り替えるための解体作業だ。

今回の強力助っ人は相方のお父ちゃん&親戚のヤス君!

そしてお手伝いの小僧二人は、店長になる幼なじみのハルキ&オレ。

さ、いってみよー!

 

「解体作業」っていうと、どんなイメージがあるかな?

バールっていうクギ抜きのお化けみたいなでっかいヤツやハンマーでイカツイ男たちがドッカンバッキン力任せに壊しまくる荒々しい、ザ・男の作業・・・ま、オレも似たようなイメージを持ってた。

 

ところがどっこい、奥深いぜ解体作業。

 

「解体する」ってことは「作る」ことの逆回転作業。

「どうやって作られたか?」が分からないと、うまいこと解体できないってことだ。

ただ闇雲にあちこちをぶっ叩いていても、時間は過ぎていくばかり。同じところを壊すにも、壊すべき「急所」があって、壊すべき「順番」がある。

「急所」がわからないと、元々壊れにくいように作っているから、ほんと、いくらぶっ叩いてもなかなか壊れてくれない(オレ)。

「壊す順番」も特に大事。例えば天井。天井は柱に支えられていて、調子こいて柱を片っ端から壊したりなんかすると、ドササササ〜ッ!と、ホコリと共に天井が一気に落ちてくるなんていう事故にもつながるから超デンジャラス!

 

ほんと、解体をなめてた。

ボロボロの2階の部屋をみて、最初「オレ一人でもできるかな」なんて、思っていた自分が恥ずかしい。

お父ちゃん&ヤス君のプロ二人の、豪快で緻密なテキパキ作業を横でみながら、「ほんと、すんませんでした! オレが間違ってました! ありがとうございます!」と、少なくとも30回は心の中で叫んだ。

自分一人でやってたら、終わるまでに1ヶ月くらいかかりそうだ(2週間の入院含む)。

 

にしても・・・・

ここはいったい、何年間放置されていたんだろう・・・?

天井を壊した時のホコリの量なんて、もう前が見えなくなるくらいで、開けてあった窓という窓から「火事か?」っていうくらい勢いで吹き出してた。オレやハルキなんて、横でのお手伝いだからまだましな方なのに、それでも頭から足の先まで真っ黒で、二日間は鼻水が黒かったほどだってのに、お父ちゃん&ヤス君は、いったいどんなだったんだろう・・・?

 

一日ではさすがに全部は終わらなくて、それでも素人では難しいところや危ないところはなんとか終わらせようと、日が暮れて真っ暗になる直前まで頑張ってくれたお父ちゃん&ヤス君に大感謝!

 

HUTARI

 

強力助っ人のお二人!

宙を舞っているのはオーブではなく「ホコリ」です。フラッシュをたくとこんなになるほど、作業の後でもホコリだらけ!

 

2F-2

 

1日でここまですっきり!

お二人ともおつかれさまでした!

あとはオレ&ハルキの貧弱コンビでなんとかやってみまっせ!

 

よっしゃー!

 

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diary

number:

091

2012.01.09

壊してこー!〜エピローグ〜

2f-4

 

 

 

解体が済んだ「未来の我が家」を視察する相方と子分たち。

 

2日後の朝、ハルキ&オレで解体作業の続きを開始。

強力助っ人お二人のおかげで残すは床板はがしとゴミ出しと掃除。

もちろんプロ二人のようにうまくはいかないけど、それでも、一度そばでずっとやり方をみていたし、いろんな注意点も教えてもらったおかげで、床だけだったらだいぶスムーズにできた。ま、それでも、ホコリの量は相変わらずでホウキで床を掃くたびに部屋中モックモク。もう慣れたけど。

 

古い物件を解体してると、時々変なものが出てくる。

以前解体したお店は天井から図鑑でもみたことないような虫が落ちてきたこともあったけど、今回はこれ!

 

TORINOSU

 

鳥の巣!

きっと上の穴から一本一本草を運んで、ここまで積み上げたんだろうね。すごいなぁ〜。んでも、もう今は使っている様子もなかったから、ごめんね〜っとつぶやきながら撤去。面白いよね。

 

着々と作業は進み、二人でどんどん床板をはがしていると1カ所床に穴が開いている部分を発見。

「ここ気をつけなきゃなぁ〜」って言ってるそばから、その辺りを解体していたハルキが足を滑らせて落下寸前! 人がちょ〜慌ててジタバタしてる姿ってのは、なんでこうも面白いんだろう。 笑っちゃいけないのはわかってるんだけど、こらえきれずに爆笑! 気をつけようぜ〜!

 

一通り解体を終え、解体した木材などを物件の前に山のように積み上げて、床に積もったホコリをまた掃いて、夕暮れ前、ようやく2階の解体、ミッション完了。 おつかれ!

 

Gomi

 

2階の解体だけで、こんなにたくさんゴミが出たよ!

今度はこれを業者さんに引き取ってもらわないといけないです。

これがまた、意外とお金がかかるって知ってた? ゴミを出すのにすごいお金がかかるなんて、以前は考えたこともなかったから、昔、下北沢のお店を解体&ゴミ出しして50万円くらいかかった時は、マジでビビった。

今回はそこまでの量じゃないし、仲間の知り合いに業者さんがいるから、ずいぶん安くなりそうだから助かるな。

 

このゴミ出しも、素人が普通に業者さんに電話して来てもらうのと、知り合い経由で来てもらうのでは、倍以上の値段の違いが出たりする(下手すりゃ3倍以上の時も!)から、なんとか知り合いを探して頼むのがオススメ! ま、日常生活にはあんまり役に立たないマメ知識ですがね。

 

電気、水道、ガスももうじき開通するし、数日後には大工チームの大将「ヨモあにぃ」たちもいよいよ登場!

 

「作る」ための下準備がようやく整ってきた。

 

さぁ、いよいよはじまるよ〜

 

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diary

number:

092

2012.01.11

足りないものは・・・

MAKITA

 

 

 

日曜大工の頂点を目指すオイラとしては、やっぱり「いっちょまえの工具」は欠かせない。

工場大改造を目前に控え、そして、ついにゲットー!

インパクト(電動ネジ回しみたいなもん)&電ノコ。プロ仕様!

ステキだ〜、「プロ仕様」という響き・・・・いいじゃな〜い、形からだってさ。気分が大いに盛り上がるんだかさ。

「プロ仕様を買って、プロを目指す」ということがヒジョ〜に多い気がするこの人生。

ま、実際なれたもんも、なれなかったもんもいろいろありますが、さらに言うとなれなかったもんの方が、そりゃ〜多いですが、「道具のせいにはしない」という自分の追い込み方が好きです。わかりやすくて。

 

あと、足りないものは・・・・腕・・・?

がんばろー!

 

やぁ〜! なんて、元気を出しつつ、実は本の制作も同時進行というドブル、トリプル・ブッキングが続きまくりマクリスティーな2012年。

どちらも本業。どちらも本気。気力体力、勝負の年です。

 

A-WORKSでの本の制作はライフワーク。会社を始める時からのアニキや仲間との約束。やめるつもりなんてない。この物件の構想を思いついた時から、いつかはくるだろうと思っていた生活が、いよいよ始まる。

本の仕事だけだって、1年中、盆も正月も、なんだかんだいっつも仕事をしてる気がするくらは忙しい。

だから、「時間が空いたら」なんて言ってたら、きっとず〜っとできない。もう「出会い」を感じたら、本の制作スケジュールは一切無視して、その物件を借りようと決めてた。

そして、出会い、ついにその時がやって来た!

 

今年37歳。もう若くないよねぇ〜って、うるさい!

やりまっせ、陽が昇ったら大工。陽が沈んだらデザイナー。オソ寝早起きナンノソの!

気分的には最高の2重生活。

体力的には・・・・未知の領域っすな! ま、なんとかなるっしょ、やるしかないんだし。

 

自分の強さも弱さも、リアルに見れるいい年になりそうです。

 

 

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number:

093

2012.01.15

妄想中

Zumen

 

 

 

 

購入したものが続々と届く。

材木、タイル、サッシ、工具・・・

工事を前にして、同時にいろいろと妄想を暴走中。

なんせあれだ、な〜んもないもんで、な〜んでも作っていいよって話だ。

あまりにも制限がなさすぎて、最初は戸惑ったけど、少しずつ、「ここにこんなのがあったらいいな・・・」って、まずは鉛筆で、枠だけの図面にいろいろと書き込んだ。とりあえず、欲しいものを全部書き込んでみる。その後、今度はそれを使いやすいように、動きやすいようにいろいろ並べ替えながら、まるでパズルをはめていくように、あーでもない、こーでもないといろいろ配置を考えていく。時には廊下の広さを測ったり、お風呂やキッチンのサイズを測ってみたり、家中のものを計りまくって、なるべく感覚のズレがないように、慎重に。

 

なんとなく「収まったかな?」って思って、その図面を手に実際に物件の中を歩き回ってみる。

するとやっぱし・・・図面で見るのと、「実際の距離感」ってヤツは、やっぱり違う。

思ったより広く、高く感じたり、いや、むしろ、思ったより狭く低く感じることの方が多い。

これが建築家との「経験の差」ってヤツ?

どんなけ図面上できれいに収まっても、実際に生活しづらかったり、使いづらかったりしたら意味ない。

だから今度はその「実際の感覚」をもとに、図面に手を入れてみる。

できるだけやりたいことを全部詰め込みたい、でも、スペースにも限りがある・・・・さて? これの繰り返し。 図面の完成へ向け、あと少し。今はまだ、最後の試行錯誤中・・・

 

できたらまた、各スペースを説明したいなぁ〜っと思っとります。

 

 

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GARAGE WORKS / Minoru Takahashi
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